危機管理の要点
要点を掲げますので、ご自分で考えてみて下さい。そうすることで、自分のノウハウになります。
1、事故には責任が発生
①行政責任
業務停止などの命令。
②民事責任
損害賠償などが発生。
③刑事責任
刑法違反、業務上過失、施設管理責任、労働安全衛生法違反などで処罰。
④道義的責任
信用を失墜。
2、事故発生後
機敏な対応と迅速な復帰が被害拡大防止となって、損失軽減できる。
3、日頃の自覚
①事故はいつでも起こり得る。
②安全作業マニュアルを読んだだけで、安全作業は不可能。
③予測できない事故があるが、それを想定外としない。
④基本は「気をつける」ことに尽きる。
⑤先人(先輩)の経験談・助言・忠告は有効。
⑥経験豊かな者も新しい技術を習得。
⑦危険な装置は、「停止方法」を最初に習得(柔道の受け身)。
⑧いつも新人のつもりで作業。
4、劇場における安全対策の対象
①観客
②出演者
③スタッフ(自分も含む)
④建物・設備
5、劇場の緊急事態に対する心得
①定期的に安全全体会議を開催して、全従業員に注意喚起する。
②各部署の責任者を決定し、責任者不在時のために副責任者を決める。
③委託のスタッフ・清掃・売店・レストランなどすべての連携が必要。
④「備えあれば憂い無し」が、危機管理の基本。
⑤整備点検の予算を削減すると、被害は甚大になる。
⑥すべて、人命を優先。
6、緊急事態発生時の対処
①出火
②地震
③停電
④出水(スプリンクラー作動、雨漏、洪水など)
⑤病人やけが人
⑥楽屋の盗難、ファンの楽屋侵入
⑦不審物の発見
⑧客どうしのトラブル
⑨感染症
7、安全維持の心得
①各部署の意見の対立は、事故を招く。
②部分的な知識だけでなく、劇場全体の構造、仕事の流れを把握。
③小さな異常・異変でも、必ず責任者に通報して原因を究明。
④事故発生・事故処理などの情報は、従業員全員で共有。
⑤危険な機器は、停止方法から学び、訓練してから操作。
8、事故の責任を明確に
①事故の原因と責任を明確にして、再発防止に役立てる。
②責任者の氏名、スタッフの氏名を楽屋事務所等に表示。
9、日常の訓練
①観客の避難誘導訓練
②消防訓練(放水まで実施)
③起震車により震度を体験
④火災の煙体験
⑤救命処置(119通報と応急手当)
・人工呼吸
・AED(自動体外式除細動器・Automated External Defibrillator)
・搬送方法
・止血方法